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振れ測定器(気体静圧式)

Measuring Instruments of Outside Runout by Static Pressure MOR-75

振れ測定器(気体静圧) MOR-75
▲ MOR-75 (写真は歯溝振れの測定)

測定物の内径面(穴)を本機のエアー軸に入れて簡単に高精度振れ測定。
非接触で傷、塵の誤差もありません。

特徴

  • 非両センタ構造でテーパーピン、コレット等は不要で、ワークセットは簡単
  • 穴を気体膜で非接触支持、テストバー等の傷や塵の誤差は無し
  • 回転振れは高精度、実用データム形態はよりデータムに近く理想的
  • エアーは測定物載置時に吐出
  • 歯溝振れの測定も可

仕様

MOR-75
適用ワーク寸法 内径φ8以上(推奨)、外径φ75以下*1
ワーク内径公差 0.02mm以下(推奨)*2
エアー圧力 0.6MPa
エアー消費量 数リットル/min以下
外形寸法 W212×D150×H213mm*3
重量 8.4kg
価格
*1 内径面の長さ、形状等で不可の場合有り。
*2 内径の寸法公差範囲が大きく、気体膜で保持するのが適当でない場合、軸を油圧で若干膨張させ高精度にクランプし、別な方法で回転させ、振れ測定を行う事も可能ですので、ご相談下さい。
*3 ダイヤルゲージ等の突出した部分は含みません。

特長の詳細

ワークの内径面は、本機のエアー軸からの気体膜で支持されます。
この為、右図の様な両センタでの振れ測定法のテーパピンは不要になります。
(ワークをセットするとスイッチが入りエアーが出ます。)

振れ測定器中央部 ワークがエアー軸に載せられると自重で感知レバーが働き、SWで電磁弁が通電、エアーが供給される
▲ エアー軸周辺
両センタとテーパーピンによる方法(振れ 又は 同心度)
▲ 両センタとテーパーピンによる方法

両センタとテーパピンの振れ測定法では、ピンの当たり傷の影響などもあり精度を高めるのは困難でした。
本測定器では、適正なクリアランスの剛性を持つ気体膜でワーク内径面を支持する為、高精度の回転振れで簡単に測定できます。
また、ワークと軸は非接触で支持され、極めて軽いトルクで回ります。
尚、供給するエアーは通常の空気圧力で十分です。

エアー軸(2列給気) 細穴から圧縮空気が出る
▲ エアー軸(1)
エアー軸(1列給気) 細穴から圧縮空気が出る
▲ エアー軸(2)
軸受特性で諸条件選定と確認
▲ 軸受特性シュミレーション例

歯車の歯溝振れ測定にも適しています。
オプションで歯溝振れ同心マスターと所定の径の測定球先端子により歯車のOBD寸法も同時に確認ができます。

真円度、同心度が良く、直径を合わせたマスターを用いる
▲ ゼロ合わせ(振れと径のマスター)
歯溝振れ測定 ダイヤルゲージのレバーで退避させながら一歯ずつ計る。ダイヤルゲージ先端には適した測定球を付ける。
▲ 歯溝振れ測定(白の樹脂歯車)

セットの方法

・軸ホルダにエアー軸を取付
・左右位置をステージ送りねじで調整しレバーで固定
・高さ位置も調整ノブで固定
・感知レバーが働くように調整しノブで固定

各部説明図(正面)
▲ 各部説明図(正面)
各部説明図(裏面)
▲ 各部説明図(裏面)

歯溝振れ同心マスターの例

右図のマスタは、外径寸法と、外径の同心度(中央穴基準)、中央穴の内径等が精度良く作られており、これを基準とし、歯車の歯溝振れとOBDを同時に測定する為の物です。
(外径はOBD寸法であり、測定した歯溝振れ値がOBD寸法公差範囲の半分か否かによる判別)

▲ 歯溝振れ同心マスター例1
(中央穴φ10×13)
▲ 歯溝振れ同心マスター例2
(中央穴φ8×30.5)
マスター例1(φ10×13) 同心度0.238μm、外径真円度0.5μm(内径基準)
▲ 同心度、真円度(外径)
マスター例2(φ8×30.5) 同心度1.387μm、外径真円度0.920μm(内径基準)
▲ 同心度、真円度(外径)
マスター例2(φ8×30.5) 内径真円度0.802μm
▲ 真円度(内径)

補足

・本機種は測定対象物の内径を基準とし回転させますが、外径を保持して回転させる事も原理的に可能です。
・内径が完全な円でない形状、例えば右図の様に円弧が不連続な形状でも、保持する方法を工夫する事でそれらの円弧を基準として、本機種とは違う原理で回転させる事ができます。
 詳しくはお問い合わせ下さい。

特殊な内径の例
▲ 特殊な内径の例